広報誌の企画やページ構成が決まっても、「原稿をどこから書き始めればよいのか分からない」「各部署から情報を集めたものの、うまく文章にまとめられない」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。
広報誌の記事・原稿で大切なのは、文章を上手に書くことだけではありません。誰に何を伝える記事なのかを明確にし、見出し・本文・写真などを組み合わせながら、限られた誌面の中で分かりやすく情報を整理することが重要です。
本記事では、広報誌の記事・原稿の基本構成から、タイトル・見出しやリード文、本文の書き方、適切な原稿量、インタビュー記事の作り方、校正のポイントまで解説します。初めて広報誌の原稿を担当する方でも、記事を組み立てられる基本的な考え方をわかりやすく紹介します。
広報誌の記事・原稿を作る前に整理すること
広報誌の記事を書くときは、いきなり本文から書き始めるのではなく、誰に・何を伝え、その記事を通してどう感じてほしいのかを整理することが大切です。目的が曖昧なまま書き始めると、伝えたい情報が増えて文章が長くなったり、結局何を伝える記事なのか分からなくなったりします。まず記事の目的・読者・最も伝えたいことを決め、原稿の軸を作ってから執筆を始めましょう。
記事を掲載する目的を確認する
まず、その記事を広報誌に掲載する目的を明確にします。例えば、活動内容を知ってもらう、スタッフの人柄を伝える、サービスへの理解を深める、イベントへ参加してもらうなど、記事によって目的は異なります。
同じ出来事を扱う場合でも、目的によって伝える内容や切り口は変わります。「この記事を掲載することで読者に何を伝えたいのか」を最初に整理しておくと、必要な情報を選びやすくなり、原稿の方向性もぶれにくくなります。
誰に向けて書くのかを明確にする
次に、この記事を最も読んでもらいたい相手を明確にします。専門家、顧客、患者、保護者、地域住民、会員など、読者によって持っている知識や興味のある情報は異なるためです。
例えば、専門家には一般的な用語でも、地域住民や患者には意味が伝わらない場合があります。専門用語には説明を加えるなど、読者が初めて読むことも想定して文章を作りましょう。誰に向けた記事なのかが明確になると、言葉の選び方や必要な説明量も判断しやすくなります。
記事で最も伝えたいことを一つ決める
原稿を書く前に、この記事を読んだ人に何を一番覚えてほしいのかを一つ決めておきましょう。「活動内容も実績も担当者の思いも伝えたい」と情報を詰め込むと、記事の中心が分かりにくくなります。
例えば、スタッフ紹介なら「仕事内容を説明する」のではなく、「どのような思いで利用者と向き合っている人なのかを伝える」まで具体化します。中心となるメッセージを決め、その内容を補足する情報を加えていくと、まとまりのある原稿を作りやすくなります。
広報誌全体の目的やテーマ、掲載する企画がまだ決まっていない場合は、先に以下の記事を参考にしてください。
→ 広報誌の企画・構成の作り方|読まれる特集・ネタ・ページ構成の考え方
広報誌の記事・原稿の基本構成
広報誌の記事は、思いついた内容から文章を書き始めるのではなく、タイトル・見出し→リード文→本文→写真・図・キャプションという基本構成を先に考えることがポイントです。最初に記事全体の骨組みを作っておけば、どこで何を伝えるのかが明確になり、情報の重複や抜け漏れも防ぎやすくなります。文章だけでなく写真や図も含め、一つの記事として情報を組み立てていきましょう。
タイトル・見出し
タイトル・見出しは、読者に何について書かれた記事なのかを伝える役割があります。タイトルでは記事全体のテーマを示し、見出しでは本文を内容ごとに分けて、読みたい情報を見つけやすくします。
先に見出しを作っておくと、本文で伝える内容も整理しやすくなります。例えば、イベント紹介なら「開催した目的」「当日の様子」「参加者の声」のように分ける方法があります。いきなり本文を書くのではなく、まず記事の骨組みとなる見出しから考えましょう。
リード文
リード文は、タイトルや見出しの後に置き、これから何を伝える記事なのかを読者へ簡潔に説明する文章です。記事の背景やテーマ、読者との関係などを伝え、本文を読み進めてもらう役割があります。
例えば、活動報告なら「〇月〇日にイベントを開催しました」という事実だけではなく、なぜ開催したのか、どのような人に関係する取り組みなのかまで簡潔に伝えます。最初から詳しく説明しすぎず、本文で紹介する内容へ自然につなげることがポイントです。
本文
本文では、記事で最も伝えたいことを中心に、理由や背景、具体例などを順番に説明します。伝えたい情報を思いついた順に並べるのではなく、読者が理解しやすい流れを考えることが大切です。
例えば、結論や重要な情報を最初に伝え、その後に理由・具体例・補足情報を加えると内容を理解しやすくなります。文章が長くなる場合は見出しや段落で内容を分け、一つの段落に複数の話題を詰め込みすぎないようにしましょう。
写真・図・キャプション
広報誌の記事では文章だけで説明するのではなく、写真や図を使って視覚的に情報を伝えることも大切です。イベントの様子やスタッフの表情、施設・商品など、文章より写真の方が伝わりやすい情報もあります。
写真には必要に応じて、撮影した場面や人物、取り組みの内容などを説明するキャプションを付けましょう。原稿が完成してから空いた場所に写真を入れるのではなく、文章・写真・図をどのように組み合わせるかまで考えて記事を作ることがポイントです。
読まれる広報誌のタイトル・見出しの付け方
広報誌のタイトル・見出しは、読者がその記事を読むかどうかを判断する重要な要素です。内容が充実していても、何について書かれているのか分からなければ、読み飛ばされてしまうことがあります。タイトルや見出しを見ただけで記事の内容が想像でき、自分に関係する情報だと感じてもらえることが大切です。分かりやすさを優先しながら、読者が読み進めたくなる表現を考えましょう。
記事の内容がひと目で分かる見出しにする
タイトル・見出しでは、何について書かれている記事なのかを具体的に伝えることが基本です。「新しい取り組み」「活動について」といった抽象的な表現だけでは、読者が記事の内容を判断しにくくなります。
例えば「地域交流イベントを開催しました」「新しく始まった〇〇サービスをご紹介」のように、テーマが分かる言葉を入れましょう。目を引く表現を優先するあまり内容が分からなくならないよう、まずは記事のテーマが正しく伝わることを意識します。
読者にとってのメリットを入れる
記事の内容によっては、読むことで読者にどのようなメリットがあるのかをタイトル・見出しに含めることも効果的です。組織側からのお知らせとしてではなく、読者との関係が分かる表現に置き換えてみましょう。
例えば「新サービスについて」だけではなく、「〇〇がもっと利用しやすくなりました」とすると、読者にとって何が変わったのかが伝わります。組織が伝えたい事実だけでなく、それによって読者にどのようなメリットがあるのかまで考えることがポイントです。
短く分かりやすい言葉を使う
タイトルや見出しは、できるだけ短く、意味を理解しやすい言葉でまとめることが大切です。一つの見出しに多くの情報を詰め込むと長くなり、結局何について説明する部分なのか分かりにくくなります。
また、社内で普段使っている略称や業界特有の専門用語は、読者には伝わらない場合があります。専門用語を使う必要がある場合は分かりやすい言葉へ置き換えるなど、初めて読む人でも意味を理解できる表現を意識しましょう。
見出しだけでも内容が分かるようにする
広報誌は、すべての読者が表紙から最後のページまで順番に読むとは限りません。ページをめくりながら興味のある情報を探すこともあるため、見出しを拾い読みするだけでも、おおまかな内容が分かる構成にすることが重要です。
例えば「取り組みについて」ではなく、「地域の子どもたちを対象に〇〇教室を開催」のように具体化します。見出しごとに内容を明確にすると、流し読みしている読者も興味のある情報を見つけやすくなります。
広報誌のリード文の書き方
リード文は、タイトルや見出しの後に置き、記事のテーマや読むことで分かることを簡潔に伝える文章です。タイトルに興味を持った読者が、本文を読み進めるか判断する役割もあります。長い前置きから始めるのではなく、何についての記事なのか、読者にどのような関係があるのかを最初に示しましょう。基本的には、テーマ→読者との関係→本文で伝えることの順番で整理すると、分かりやすいリード文を作れます。
最初に記事のテーマを伝える
リード文では、最初に何について紹介する記事なのかを明確にすることが大切です。背景から長く説明すると、本題に入るまで時間がかかり、読者が記事の内容を理解しにくくなります。
例えば、地域交流イベントの記事なら、最初に「〇月〇日に地域住民を対象とした交流イベントを開催しました」とテーマを伝えます。その後に開催した目的や当日の様子などを加えると、読者は記事の全体像を理解したうえで本文を読み進められます。
読者との関係を示す
記事のテーマを伝えたら、その情報が読者とどのような関係があるのかを示しましょう。「当社では新しいサービスを開始しました」という組織側の事実だけでは、読者が自分に関係する記事だと感じにくい場合があります。
例えば「〇〇をご利用の皆さまが、より便利に利用できる新サービスを開始しました」とすれば、読者にとって何が変わるのかが伝わります。誰に向けた情報なのかを意識し、読者自身に関係する話として伝えることがポイントです。
本文で分かることを簡潔に伝える
リード文の最後では、この記事を読むと何が分かるのかを簡潔に示します。本文の内容をすべて説明する必要はなく、これから紹介する内容の概要が伝われば十分です。
例えば「本記事では、新サービスの特徴や利用方法、これまでとの違いをご紹介します」とまとめれば、その後にどのような情報が続くのかを予測できます。リード文を長くしすぎず、テーマ→読者との関係→本文で分かることを意識してまとめましょう。
広報誌の本文を読みやすく書くポイント
広報誌の本文では、伝えたい情報をすべて文章にするのではなく、読者が短時間でも内容を理解できるように情報を整理して書くことが大切です。特に、結論を後回しにした長い文章や、専門用語が多い文章は内容が伝わりにくくなります。結論から書く、一文を短くする、一つの段落で一つの内容を扱うなど、読み手の負担を減らすことを意識しましょう。
結論から書く
本文では、背景や経緯から長く説明するのではなく、最初にその段落で最も伝えたい結論を書くことがポイントです。結論を先に示し、その後に理由や具体例、補足情報を加えると、読者が内容を理解しやすくなります。
例えば、新しい取り組みを紹介する場合は、実施までの経緯から説明するのではなく、まず何を始めたのかを伝えます。その後に始めた理由や具体的な内容を説明することで、途中までしか読まれなかった場合でも重要な情報を届けやすくなります。
一文を長くしすぎない
一文の中に複数の情報を詰め込むと、文章の主語や結論が分かりにくくなります。そのため、一つの文章で伝える内容をできるだけ一つに絞ることを意識しましょう。
特に「〜ですが」「〜ため」「〜ので」などを何度もつなげると、一文が長くなりがちです。文章が長くなった場合は、句点で区切れないか確認します。短い文章を適度につなげることで、文章を読むことに慣れていない読者にも内容を理解してもらいやすくなります。
専門用語・社内用語をそのまま使わない
広報誌を書く担当者にとって当たり前の言葉でも、読者には専門用語や社内用語の意味が伝わらない場合があります。業界用語や略称を使用するときは、本当に必要なのかを確認しましょう。
専門用語を使う必要がある場合は、初めて登場する箇所で意味を説明したり、一般的な言葉へ置き換えたりします。書き手の知識を基準にするのではなく、読者が初めてその情報に触れることも想定し、説明がなくても理解できる言葉を選ぶことが大切です。
一つの段落で一つの内容を伝える
一つの段落の中で話題が何度も変わると、読者は何について説明している文章なのか分かりにくくなります。基本的には、一つの段落につき一つのテーマを扱うことを意識しましょう。
例えば、イベント紹介であれば「開催した目的」「当日の様子」「参加者の反応」など、内容ごとに段落を分けます。話題が変わるところで段落を区切り、必要に応じて見出しを付けることで、文章全体を読まなくても必要な情報を探しやすい誌面になります。
具体例や数字を使う
抽象的な表現だけでは、活動の規模や成果が読者に十分伝わらないことがあります。そのため、具体的に示せる情報は、数字や事例を使って説明することもポイントです。
例えば「多くの地域住民が参加しました」よりも、「地域住民約200人が参加しました」とした方が、イベントの規模をイメージしやすくなります。ただし、数字を増やせばよいわけではありません。記事で伝えたい内容を理解するうえで役立つ数字や具体例を選びましょう。
読者目線の言葉へ置き換える
広報誌では「当社では〇〇を開始しました」「〇〇を実施しました」と、組織を主語にした文章が多くなりがちです。しかし、その取り組みによって読者に何が変わるのかまで伝えることが重要です。
例えば、新しい予約システムを紹介するなら、導入した事実だけでなく「スマートフォンから24時間予約できるようになりました」と読者のメリットまで説明します。組織側が伝えたい情報を、読者にとってどのような意味があるのかという視点で書き換えてみましょう。
広報誌の原稿量・文字数はどのくらい?
広報誌の原稿を作る際、「1ページに何文字書けばよいのか」と迷うこともありますが、広報誌に適した文字数を一律に決めることはできません。同じページサイズでも、写真や図の点数、文字サイズ、見出し、余白などによって掲載できる文章量は変わるためです。先に長い原稿を完成させるのではなく、ページ構成やデザインを想定しながら、各記事に必要な文字量を決めていきましょう。
ページを文字だけで埋めない
伝えたい情報が多いと、空いているスペースを文章で埋めたくなります。しかし、広報誌は文章だけでなく、写真・図・見出し・余白を組み合わせて情報を伝える媒体です。文字量が多すぎると誌面に圧迫感が生まれ、読む前から難しそうな印象を与える場合があります。
文章で詳しく説明する部分と、写真や図で見せる部分を分けて考えましょう。情報を削るだけでなく、視覚的に伝えられる内容を写真や図へ置き換えることも、読みやすい誌面を作る方法です。
原稿を書く前に文字量の目安を決める
原稿を完成させてから誌面に入れようとすると、文章が入りきらず、大幅な削除やレイアウト変更が必要になることがあります。そのため、ページ構成を決める段階で、各記事に使えるおおよその文字量を想定しておくことが大切です。
例えば、見開きの特集でも、大きな写真を使うのか、インタビューを中心にするのかによって必要な原稿量は変わります。先に記事の役割と誌面で使えるスペースを整理し、それに合わせて原稿を書くと、制作途中の手戻りを減らしやすくなります。
文字数はデザインによって変わる
広報誌に掲載できる文字数は、ページサイズだけでなく、誌面のデザインやレイアウトによって大きく変わります。写真の点数や大きさ、見出し、文字サイズ、図表、余白など、さまざまな要素がページ内の文章量に関係します。
そのため、「A4・1ページなら〇文字」と固定して考えるのではなく、どの情報を文章で伝え、何を写真や図で見せるのかを先に整理しましょう。原稿とデザインを別々に考えず、誌面全体を見ながら適切な文章量を調整することがポイントです。
文章量と写真、余白などを組み合わせた誌面の作り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 広報誌のデザイン・レイアウトの基本|読みやすく伝わる誌面を作るポイント
広報誌のインタビュー記事の作り方
インタビュー記事は、スタッフや利用者、会員などの言葉を通して、活動の背景や人柄、組織の考え方を具体的に伝えられる企画です。ただし、話を聞いてそのまま文章にするだけでは、内容がまとまらず読みにくくなることがあります。事前にインタビューの目的と質問を整理し、取材後は読者に伝えたい内容を軸に回答をまとめることが大切です。
インタビューの目的を決める
取材を始める前に、インタビューを通して読者に何を伝えたいのかを明確にします。目的が決まっていないと質問が増え、さまざまな話を聞けても、記事として何を伝えたいのか分からなくなりがちです。
例えば、スタッフ紹介なら仕事内容を説明するだけでなく、人柄や仕事への思いを伝えることを目的にする方法があります。まず記事の中心となるメッセージを決め、それを引き出すために何を質問すればよいのかを考えましょう。
質問項目を事前に準備する
インタビューでは、記事の目的に合わせて質問項目を事前に準備しておくことが大切です。スタッフ紹介であれば、現在の仕事内容、この仕事を始めたきっかけ、仕事で大切にしていること、印象に残っている出来事、読者へのメッセージなどが考えられます。
ただし、用意した質問を順番に聞くだけではなく、気になる回答があれば「なぜそう思ったのですか?」などと掘り下げましょう。具体的な経験やエピソードを聞くことで、記事の内容にも深みが生まれます。
回答をそのまま掲載しない
インタビューで話した内容をそのまま文字にすると、言葉の重複や話題の前後があり、文章としては読みづらくなることがあります。そのため、本人の意図やニュアンスを変えない範囲で、読者が理解しやすい文章へ整理することが必要です。
同じ内容の回答をまとめたり、話題の順番を入れ替えたりして、記事全体の流れを整えましょう。ただし、発言の意味が変わるような編集は避け、掲載前に本人へ内容を確認してもらうことも大切です。
人柄が伝わる言葉を残す
読みやすさを意識して文章を整えることは大切ですが、編集しすぎると、誰が話しても同じような文章になってしまいます。インタビュー記事では、その人ならではの言葉や具体的なエピソードを残すことも意識しましょう。
例えば、仕事への思いだけでなく、印象に残っている出来事や利用者とのエピソードを紹介すると、人柄をイメージしやすくなります。文章として整える部分と本人らしさを残す部分のバランスを考え、読者が人物を身近に感じられる記事にしましょう。
写真と文章を組み合わせて記事を作る
広報誌の記事は、文章だけですべてを説明する必要はありません。イベントの雰囲気やスタッフの表情、施設・商品の特徴など、写真や図を使った方が短時間で伝わる情報もあります。原稿を書く段階から、何を文章で説明し、何を写真や図で見せるのかを整理しておきましょう。文章・写真・図を一つの記事として組み合わせることで、情報を理解しやすく、誌面にもメリハリをつけられます。
写真で伝わる情報は文章で説明しすぎない
イベントや活動の様子などは、長い文章で説明するよりも、写真を使った方が雰囲気や状況を直感的に伝えられる場合があります。写真を掲載するのであれば、文章で同じ情報を繰り返し説明する必要はありません。
例えば、イベントの参加者や会場の様子は写真で見せ、本文では開催した目的や参加者の反応など、写真だけでは分からない情報を補足します。文章と写真それぞれの役割を分けることで、限られた誌面を有効に使いながら、内容の伝わる記事を作りやすくなります。
写真にはキャプションを付ける
写真を掲載するときは、必要に応じて写真の内容を補足する短いキャプションを付けましょう。写真だけでは、誰が写っているのか、どのような場面なのか、何をしているところなのかが読者に伝わらない場合があります。
例えば、活動写真なら「〇月〇日に開催した地域交流イベントの様子」など、写真を見るうえで必要な情報を簡潔に添えます。本文を読まなくても写真とキャプションから概要を理解できるようにすると、流し読みする読者にも情報を届けやすくなります。
原稿を書く段階から写真の配置を考える
文章を書き終えてから空いているスペースに写真を入れるのではなく、原稿を作る段階から、どこにどのような写真を使用するのかを考えておくことが大切です。写真の大きさや点数によって、誌面に掲載できる文章量も変わります。
例えば、特集の冒頭では大きな写真を使用し、その後に本文やインタビュー写真を配置するなど、おおまかな構成を考えておきます。文章量と写真点数を早めに整理することで、デザイン段階で原稿を大幅に削るといった手戻りも防ぎやすくなります。
写真や文章を実際の誌面へ読みやすく配置する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ 広報誌のデザイン・レイアウトの基本|読みやすく伝わる誌面を作るポイント
広報誌の記事・原稿でよくある失敗
広報誌の原稿では、伝えたい情報を優先するあまり、文章が長くなったり、読者には分からない専門用語が増えたりすることがあります。また、原稿と写真を別々に準備すると、デザイン段階で文章が収まらないといった問題も起こります。原稿だけを完成させるのではなく、読者の読みやすさや実際の誌面まで考えて記事を作ることが大切です。ここでは、原稿作成で注意したい代表的な失敗を紹介します。
組織からのお知らせだけになっている
広報誌では「〇〇を開催しました」「新しく〇〇を開始しました」など、組織側が伝えたい情報だけの記事になってしまうことがあります。事実を伝えることは必要ですが、それだけでは読者が自分に関係する情報として捉えにくい場合があります。
活動を紹介するなら、その活動によって地域や利用者にどのような変化があるのかまで伝えましょう。組織からのお知らせとして終わらせず、「読者にとってどのような意味があるのか」という視点を加えることで、興味を持ってもらいやすくなります。
一つの記事に情報を詰め込みすぎる
伝えたい情報が多いと、活動の背景、実績、スタッフの思い、今後の予定などを一つの記事へすべて盛り込みたくなります。しかし、複数のテーマを詰め込みすぎると、記事で最も伝えたいことが分かりにくくなります。
まず「この記事を読んだ人に何を一番覚えてほしいのか」を決め、その内容に必要な情報を優先しましょう。関連性の低い情報は別の記事や次号へ回すなど、情報を整理することも必要です。一記事一テーマを意識すると、まとまりのある原稿を作りやすくなります。
専門用語や社内用語が多い
担当者が普段使っている言葉をそのまま原稿にすると、初めて読む人には意味が伝わらないことがあります。特に、業界用語、専門用語、部署名の略称、社内独自の制度名などには注意が必要です。
原稿を書いた後は「この言葉を読者も知っているか」という視点で読み返しましょう。専門用語が必要な場合は簡単な説明を加えたり、一般的な言葉へ置き換えたりします。書き手ではなく、想定する読者の知識量を基準に文章を作ることが大切です。
文章が長く誌面に収まらない
原稿を先に完成させてからデザインすると、文章量が多すぎて予定していた誌面に収まらないことがあります。無理に掲載すると文字が小さくなったり余白が減ったりし、読みにくい広報誌になってしまいます。
また、デザイン段階で文章を大幅に削ると、本来伝えたかった重要な情報まで失われる可能性があります。ページ構成を決める段階から、おおよその原稿量や写真点数を想定し、原稿・写真・デザインを切り離さずに準備することがポイントです。
写真を後から用意しようとする
原稿が完成してから写真を探し始めると、記事に合った写真が見つからなかったり、必要な場面を撮影できなかったりすることがあります。特に、終了したイベントや一度しか行われない行事は、後から撮り直すことができません。
企画・原稿の段階で、メイン写真、人物写真、活動風景など必要な写真を洗い出しておきましょう。どの内容を文章で伝え、どこを写真で見せるのかまで決めておくことで、誌面に必要な素材を計画的に準備できます。
広報誌の原稿を校正・チェックするときのポイント
広報誌の原稿が完成したら、そのままデザインや印刷へ進めるのではなく、内容に間違いがないか、読者に正しく伝わる文章になっているかを確認することが大切です。特に、広報誌は印刷後に間違いが見つかっても簡単には修正できません。誤字脱字だけでなく、数字や固有名詞、表記の統一、写真などの掲載許可まで確認し、最後は原稿を書いた本人以外にもチェックしてもらいましょう。
誤字脱字・数字・固有名詞を確認する
校正では誤字脱字だけでなく、間違えると影響の大きい数字や固有名詞を重点的に確認することが重要です。特に、人名、会社・団体名、日付、金額、電話番号、URL、イベントの開催日時などは注意しましょう。
文章として自然に読めると、細かな数字の間違いには気づきにくい場合があります。元となる資料や公式情報と照らし合わせながら、一つずつ確認することが大切です。イベント案内などは、曜日と日付が合っているかも確認しておきましょう。
表記を統一する
複数の記事や担当者の原稿をまとめる広報誌では、記事によって言葉の表記がバラバラにならないようにすることも大切です。例えば「Web/ウェブ」「利用者/ご利用者」など、同じ意味でも異なる表現が混在する場合があります。
数字の全角・半角や年月日の書き方、敬称などについても、広報誌全体でルールを決めておくと確認しやすくなります。特に複数部署から原稿を集める場合は、事前に簡単な表記ルールを共有しておくと、校正時の修正作業を減らせます。
掲載許可を確認する
広報誌に人物写真やインタビュー、顧客・利用者の声などを掲載する場合は、必要な掲載許可や内容確認が済んでいるかを確認しましょう。取材を受けてもらったことと、氏名や写真、発言内容を広報誌へ掲載することは分けて確認した方がよい場合があります。
特に、人物の顔が分かる写真や個人に関する情報を扱う場合は注意が必要です。どの写真・情報を、どの媒体に掲載するのかを関係者と共有し、必要な確認を済ませてから印刷工程へ進みましょう。
複数人で最終確認する
原稿を書いた本人だけで校正すると、内容を理解しているため、誤字や説明不足を無意識に読み飛ばしてしまうことがあります。そのため、可能であれば担当者以外にも原稿を確認してもらいましょう。
文章の内容を詳しく知らない人に読んでもらうことで、専門用語や分かりにくい説明にも気づきやすくなります。原稿確認だけで終わらず、デザインへ反映された後にも、文字の抜けや修正漏れがないか最終確認してから印刷へ進むことが大切です。
広報誌の原稿作成を外注するときに準備すること
広報誌の原稿作成を外注する場合、最初から完成した文章を用意しておく必要はありません。大切なのは、広報誌の目的や読者、掲載したい内容など、現在決まっている情報を整理して共有することです。「伝えたい情報はあるが文章にまとめられない」という段階でも、情報を整理しながら制作を進められる場合があります。原稿だけでなく、写真やページ構成、デザイン、印刷まで含めて相談すると、誌面全体を考えながら進めやすくなります。
広報誌の目的・読者
まず、何のために広報誌を発行し、誰に読んでもらいたいのかを伝えます。活動を知ってもらう、地域との関係を深める、会員へ情報を届けるなど、目的によって必要な記事や文章の切り口は変わります。
また、顧客、会員、地域住民、患者、保護者など、中心となる読者も共有しましょう。具体的な原稿が決まっていなくても、目的と読者が分かれば、どのような情報をどのような言葉で伝えるべきかを整理しやすくなります。
掲載したいテーマ・内容
次に、広報誌で取り上げたいテーマや掲載したい情報を、決まっている範囲で共有します。特集、活動報告、スタッフ紹介、インタビュー、お知らせなど、具体的な記事としてまとまっていなくても問題ありません。
例えば、「新しい取り組みを詳しく紹介したい」「スタッフの人柄が伝わる内容にしたい」といった希望も原稿を考える材料になります。各部署から集めた資料や箇条書きの情報しかない場合でも、何を優先して伝えるべきかを整理しながら記事へ落とし込めます。
取材の有無
インタビューやスタッフ紹介などを掲載する場合は、取材が必要なのか、すでに取材した内容があるのかを共有しておきましょう。取材が必要であれば、対象者や聞きたい内容、取材できる時期なども制作スケジュールに関係します。
すでに社内でヒアリングしたメモや回答がある場合は、それを原稿作成に活用できることもあります。誰に何を聞く必要があるのかまで早い段階で整理しておけば、原稿作成に必要な情報の不足も防ぎやすくなります。
使用したい写真・資料
原稿だけでなく、記事に使用したい写真や参考資料がある場合はあわせて共有します。イベント写真、スタッフ写真、商品・施設写真、過去のパンフレット、社内資料なども、記事の内容を整理する材料になります。
使用できる写真が不足している場合は、新たな撮影が必要になることもあります。原稿が完成してから写真を探すのではなく、どの情報を文章で伝え、何を写真や図で見せるのかを早めに整理しておくと、誌面制作をスムーズに進められます。
ページ数・発行時期
ページ数や発行予定日が決まっている場合は、原稿作成を始める前に共有しておくことが大切です。使用できるページ数によって、掲載できる記事数や一つの記事に使える文章量、写真点数などが変わるためです。
また、発行日から逆算して、取材、原稿作成、内容確認、デザイン、校正、印刷のスケジュールを組む必要があります。ページ数がまだ決まっていない場合も、掲載したい内容や発行時期を伝えながら適した仕様を検討するとよいでしょう。
過去に発行した広報誌
すでに広報誌を発行している場合は、過去号も制作会社や印刷会社へ共有すると、改善点を整理しやすくなります。現在の記事構成や文章量、写真の使い方などを確認できるため、ゼロから説明するよりも希望や課題を共有しやすくなります。
例えば、「文章が多く読みにくい」「毎号同じ内容になっている」「もっと写真を活かしたい」など、現在感じている課題もあわせて伝えましょう。既存の広報誌を活かしながら、記事構成や誌面全体を見直す方法もあります。
完成した原稿を用意してから、制作会社や印刷会社へ依頼する必要はありません。「掲載したい情報はあるが文章にまとめられない」「各部署から集めた原稿の内容がバラバラ」「文章量が多く、ページにどう収めればよいか分からない」といった段階から相談する方法もあります。
広報誌を外注する場合は、原稿作成だけを切り離して考えるのではなく、企画・構成から原稿、写真、デザイン、印刷まで一緒に考えられる会社を選ぶこともポイントです。制作の早い段階から相談することで、伝えたい内容とページ数、デザイン、印刷仕様のバランスを取りながら広報誌を作りやすくなります。
広報誌の記事・原稿に関するよくある質問
広報誌の記事はどのように書けばよいですか?
まず、誰に何を伝える記事なのかを明確にしてから書き始めることが大切です。記事で最も伝えたいことを一つ決め、タイトル・見出し→リード文→本文の順番で骨組みを作ります。本文では結論を先に伝え、その後に理由や具体例を加えると、読者が理解しやすい記事になります。
広報誌の記事タイトル・見出しはどう付ければよいですか?
タイトル・見出しは、何について書かれているのかがひと目で分かる表現にしましょう。「活動について」などの抽象的な言葉より、「地域交流イベントを開催しました」のように具体化します。読者にとってのメリットも盛り込むと、自分に関係する情報だと感じてもらいやすくなります。
広報誌の原稿は何文字くらいがよいですか?
広報誌の原稿に適した文字数を一律に決めることはできません。ページサイズや写真点数、文字サイズ、見出し、図表、余白などによって掲載できる文章量が変わるためです。原稿を先に完成させるのではなく、ページ構成やデザインを想定し、各記事に必要な文字量を決めましょう。
広報誌のインタビューでは何を質問すればよいですか?
まず、インタビューを通して読者に何を伝えたいのかを決め、その目的から質問を考えます。スタッフ紹介なら、仕事内容、仕事を始めたきっかけ、大切にしていること、印象的な出来事、読者へのメッセージなどが考えられます。回答に応じて理由や具体的なエピソードも掘り下げましょう。
広報誌の文章を読みやすくするコツはありますか?
結論から書き、一文を長くしすぎないことが基本です。一つの段落では一つのテーマを扱い、専門用語や社内用語は一般の読者にも分かる言葉へ置き換えましょう。また、文章だけで説明しようとせず、写真や図、見出しなどを組み合わせることで、情報を理解しやすい誌面になります。
広報誌の原稿が完成していなくても印刷会社へ相談できますか?
印刷会社によって対応範囲は異なりますが、原稿が完成していない段階から相談できる会社もあります。「掲載したい情報はあるが文章にまとめられない」「各部署から集めた原稿を整理したい」といった段階でも相談可能です。企画・原稿・デザイン・印刷まで対応できる会社なら、誌面全体を考えながら進めやすくなります。
まとめ|広報誌の原稿は読者に伝えたいことから組み立てよう
広報誌の原稿は、文章を上手に書くことだけが目的ではありません。目的・読者 → 記事で伝えること → 見出し → リード文 → 本文 → 写真 → 校正の順番で整理し、限られた誌面の中で情報を分かりやすく伝えることが大切です。原稿だけでなく、写真やページ構成、デザインまで考えながら制作することで、読者に伝わりやすい広報誌につながります。
制作全体の流れを確認したい方は、以下の記事も参考にしてください。
→ 広報誌の作り方完全ガイド|企画からデザイン・印刷までの流れを解説
「原稿をどうまとめればよいか分からない」「各部署から集まった文章を整理できない」「文章量とページ構成のバランスが分からない」という場合は、原稿が完成していなくても相談できます。企画・原稿の整理からデザイン、印刷まで一緒に考えられる印刷会社へ早めに相談することも、広報誌制作をスムーズに進める方法です。
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