広報誌の企画・構成の作り方|読まれる特集・ネタ・ページ構成の考え方

2026/09/08
2026/09/08

広報誌を担当することになり、「どのような企画を立てればよいのか分からない」「毎号同じような内容になってしまう」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特集や活動報告など、掲載したい情報を並べるだけでは、読者にとって読みやすく、伝わる広報誌にはなりません。

広報誌の企画・構成で大切なのは、発行目的と読者を明確にしたうえで、伝えたい内容をテーマやページ構成へ落とし込むことです。「誰に・何を伝え・読んだ後にどう感じてほしいのか」を整理することで、企画の方向性も決めやすくなります。

本記事では、広報誌の企画・構成の基本から、テーマや特集の決め方、ネタ・アイデアの探し方、ページ割りまで順番に解説します。初めて広報誌を担当する方でも、企画からページ構成まで組み立てられる考え方をわかりやすく紹介します。

広報誌の企画・構成とは?

広報誌を作る際は、いきなり原稿を書いたりデザインを始めたりするのではなく、最初に企画と構成を整理することが大切です。簡単に分けると、企画は誰に何を伝えるのかを考える工程、構成は決めた内容をどのような順番・ページで伝えるのかを考える工程です。この2つを先に決めておくことで、必要な原稿や写真も整理しやすくなり、その後の制作をスムーズに進められます。

広報誌における企画とは

広報誌における企画とは、今回の広報誌で誰に何を伝えるのかを具体的に決める工程です。まず発行目的と読者を整理し、そのうえで今号のテーマや特集、掲載する内容を考えていきます。

例えば、地域との関係を深めることが目的なら地域活動を特集するなど、目的によって適した企画は変わります。単に掲載できる情報を集めるのではなく、読者に何を知ってほしいのかを基準に企画を考えることが大切です。

広報誌における構成とは

広報誌における構成とは、企画した内容をどのような順番で、何ページ使って読者に見せるのかを設計する工程です。例えば、表紙→目次→特集→活動報告→インタビュー→お知らせ→裏表紙というように、冊子全体の流れを組み立てます。

先に構成を決めることで、各企画に必要なページ数や原稿量、写真点数なども把握しやすくなります。重要な企画に多くのページを割り振るなど、伝えたい情報の優先順位を考えることもポイントです。

広報誌の企画から原稿、デザイン、印刷までの制作工程については、以下の記事で詳しく解説しています。

広報誌の作り方完全ガイド|企画からデザイン・印刷までの流れを解説

広報誌の企画を考える前に整理すること

広報誌の企画では、いきなり「今号は何を載せよう?」と掲載内容から考え始めないことが大切です。先に、何のために発行するのか、誰に読んでもらうのか、読んだ後にどう感じてほしいのかを整理することで、企画を考える基準ができます。この基準が曖昧なままだと、毎号似た内容になったり、伝えたい情報を詰め込むだけになったりするため、まずは企画の軸を明確にしましょう。

広報誌を発行する目的を整理する

最初に考えたいのが、何のために広報誌を発行するのかという目的です。例えば、企業・団体の活動を知ってもらう、会員へ必要な情報を届ける、地域との関係を深める、採用につなげるなど、広報誌によって目的は異なります。

発行目的が決まれば、どのようなテーマや特集を組むべきかも考えやすくなります。企画に迷ったときに立ち戻れる基準として、まずは広報誌を発行する目的を明確にしておきましょう。

誰に読んでもらうのかを明確にする

次に、広報誌を最も読んでもらいたい相手を明確にします。顧客、会員、地域住民、保護者、患者、社員など、読者によって興味を持つテーマや必要としている情報は変わるためです。

「幅広い人に読んでもらいたい」と対象を広げすぎると、誰にも響かない内容になりやすくなります。複数の読者がいる場合でも、まず中心となる読者を設定し、その人が何を知りたいのかを考えることで、企画の方向性を決めやすくなります。

読んだ後にどう感じてほしいかを考える

発行目的と読者を決めたら、広報誌を読んだ後にどのような変化を起こしたいのかまで考えることがポイントです。例えば、活動について知ってほしい、組織を身近に感じてほしい、イベントへ参加してほしい、サービスを利用してほしいなどが考えられます。

単に「何を伝えるか」だけで企画を考えるのではなく、読者にどう感じ、どう行動してほしいのかから逆算することで、特集やインタビューなど掲載すべき内容を具体化しやすくなります。

広報誌の企画・テーマの決め方

広報誌の企画・テーマは、思いつきだけで決めるのではなく、発行目的・読者・発行時期などをもとに考えることが大切です。例えば、同じ春号でも、地域との関係づくりが目的なのか、組織の活動を知ってもらうことが目的なのかによって適した企画は変わります。企画に迷ったときは、発行目的に立ち戻り、読者が知りたいことや季節性、過去号の内容などを組み合わせながらテーマを絞り込みましょう。

発行目的からテーマを考える

企画を考えるときは、まず広報誌を発行する目的からテーマを逆算することが基本です。「春号だから桜を特集する」と季節だけで決めるのではなく、その企画によって何を伝えたいのかまで考えます。

例えば、病院への理解を深めてもらいたい場合は、医療スタッフや診療科を紹介する企画が考えられます。地域との関係を深めたい場合は、地域イベントや地域活動を特集するなど、目的に合ったテーマを設定しましょう。

読者が知りたいことから企画を考える

組織側が伝えたい情報だけで企画すると、活動報告やお知らせが中心となり、読者にとって似た内容が続く広報誌になりがちです。そのため、組織が伝えたいことと、読者が知りたいことが重なるテーマを探すことがポイントです。

例えば、病院が新しい診療科を紹介したい場合、診療内容の説明だけでなく、どのような症状のときに受診すればよいのかまで紹介すると、読者にも役立つ企画になります。読者の視点を加えてテーマを考えましょう。

季節・行事・時期からテーマを考える

春・夏・秋・冬などの季節や、新年度、入学・卒業、総会、周年、イベント、年末年始など、広報誌を発行する時期も企画を考えるきっかけになります。毎年行われる行事であれば、年間の企画予定にも組み込みやすくなります。

ただし、季節や行事だけを理由にテーマを決めるのではなく、発行目的との組み合わせが重要です。「この時期だから何を載せるか」だけでなく、「この企画で読者に何を伝えるか」まで考えましょう。

前号・過去号から企画を考える

定期的に広報誌を発行している場合は、前号や過去号を振り返ることも企画を考える有効な方法です。これまで扱ったテーマを一覧にすると、同じ企画の繰り返しや、まだ十分に紹介できていない活動などを見つけやすくなります。

また、読者から反応があった記事や継続して伝えたいテーマがあれば、切り口を変えて再び取り上げる方法もあります。毎号ゼロから考えるのではなく、過去号を次の企画に活かしていきましょう。

広報誌のネタ・アイデアが思いつかないときの探し方

広報誌を定期的に発行していると、「毎号似た内容になってしまう」「次の企画が思いつかない」と悩むこともあります。そのような場合は、担当者だけで新しいアイデアを考え続けるのではなく、社内・組織内の出来事や読者の声、人、年間行事などからネタを集めることがポイントです。日頃から情報を集める仕組みを作っておけば、企画の候補を継続的に蓄積しやすくなります。

社内・組織内からネタを集める

広報担当者だけで企画を考えていると、把握できる情報に限りがあり、ネタも偏りやすくなります。そこで、各部署やスタッフから定期的に情報を集める仕組みを作ることがおすすめです。

例えば、新しいプロジェクトやサービス、イベント、活動実績、スタッフの取り組みなどは企画の候補になります。定期的に各部署へヒアリングしたり、企画候補を共有する場所を用意したりして、普段から広報誌に活用できそうな情報を蓄積しておきましょう。

読者からネタを探す

企画に迷ったときは、実際に読者から寄せられている疑問や声に目を向けることも有効です。問い合わせやアンケート、よくある質問、顧客・利用者の声、会員からの相談などには、読者が知りたい情報のヒントがあります。

例えば、同じ質問が何度も寄せられているなら、その疑問を詳しく解説する特集やQ&A企画にできます。担当者が伝えたい内容だけで考えるのではなく、読者の声から企画を作ることで、興味を持ってもらいやすい内容につながります。

人を中心に企画を考える

活動やサービスそのものだけでなく、そこで働く人や関わっている人を中心に企画を考える方法もあります。社員・スタッフ紹介、利用者や会員へのインタビュー、プロジェクト担当者への取材などが代表的です。

例えば、新しい取り組みを紹介するときも、概要だけを説明するのではなく、担当者に始めた理由や苦労したこと、今後の目標などを聞くことで内容に深みが生まれます。人を通して紹介すると、活動の背景や組織の考え方も伝えやすくなります。

年間の企画カレンダーを作る

毎号発行直前になって企画を考えるのではなく、1年間のおおまかな企画カレンダーを作っておくこともおすすめです。春号・夏号・秋号・冬号など発行時期ごとに、大きなテーマや行事、掲載したい企画をあらかじめ整理しておきます。

例えば、新年度は組織やスタッフの紹介、夏はイベント、秋は活動報告など、年間行事と連動させる方法があります。年間で企画を考えることでテーマの重複を防ぎやすくなり、取材や写真撮影などの準備も早めに進められます。

広報誌の特集企画を考えるポイント

広報誌の特集は、今号で特に伝えたい内容をまとまったページで詳しく紹介する企画です。活動報告やお知らせを並べるだけでなく、読者に最も伝えたいテーマを決め、複数の情報を組み合わせて掘り下げることがポイントです。企画を考える際は、発行する側が伝えたい情報だけではなく、読者にとって知るメリットがあるかも確認しましょう。写真やインタビューなどを取り入れることで、内容にも変化をつけられます。

1号につき中心となるテーマを決める

特集を考える際は、複数のテーマを同じように扱うのではなく、今号で最も伝えたい中心テーマを一つ決めることが大切です。中心となるテーマが決まれば、必要な記事や写真、インタビューなども整理しやすくなります。

例えば、新しい事業を知ってもらいたい場合は、その事業を中心に担当者インタビューや取り組みの背景、今後の展望などを組み合わせます。一つのテーマをさまざまな角度から紹介することで、内容にまとまりのある特集になります。

読者にとってのメリットを考える

特集企画では、発行する側が伝えたいことだけでなく、その情報を読むことで読者にどのようなメリットがあるのかを考えることが重要です。「当社で〇〇を実施しました」という活動報告だけでは、読者が自分に関係する情報だと感じにくい場合があります。

例えば、新サービスを紹介するなら、サービスの概要だけでなく、どのような悩みを解決できるのかまで伝えます。読者の疑問や関心と結びつけることで、続きを読みたいと思ってもらえる企画につながります。

写真やインタビューを組み合わせる

特集は文章だけで構成するのではなく、写真や図、数字、コメント、インタビューなどを組み合わせて伝えることもポイントです。例えば、活動を紹介する場合は現場写真と担当者インタビューを掲載すると、取り組みの様子だけでなく、その背景や思いまで伝えられます。

企画が決まったら、何を文章で伝え、何を写真や図で見せるのかを整理しましょう。原稿のまとめ方やインタビュー記事の作り方は、以下の記事で詳しく解説しています。

広報誌の記事・原稿の書き方|見出し・リード文・インタビューまで解説

また、写真や文章を読みやすい誌面にまとめる方法については、以下の記事も参考にしてください。

広報誌のデザイン・レイアウトの基本|読みやすく伝わる誌面を作るポイント

広報誌によく使われる企画・コンテンツ

広報誌には、特集や活動報告、インタビュー、お役立ち情報など、さまざまな企画を掲載できます。毎号すべてを盛り込む必要はなく、広報誌の発行目的や読者に合わせて必要な企画を組み合わせることが大切です。

例えば、組織について知ってもらいたい場合は人物紹介や活動報告、読者に役立つ情報を届けたい場合は特集やコラムを取り入れるなど、目的から企画を選びましょう。

企画内容掲載する内容・活用例
特集今号で重点的に伝えたいテーマを詳しく紹介する
活動報告イベントやプロジェクト、日頃の取り組みなどを報告する
インタビュー社員・会員・利用者などへの取材を通して考えや経験を伝える
人物紹介スタッフ・社員・会員などの人柄や仕事内容を紹介する
お役立ち情報読者が抱えている課題や疑問に答える情報を紹介する
数字で見る〇〇実績や活動内容などを数字や図を使って分かりやすく紹介する
イベント案内開催予定のイベントや行事の日程・内容を案内する
お知らせ制度変更やサービス、新しい取り組みなどの重要事項を伝える
コラム専門家や担当者が専門知識や役立つ情報を分かりやすく解説する
読者の声顧客・利用者・会員などの感想や体験を紹介する

企画を選ぶときは、単に誌面を埋めるために組み合わせるのではなく、その企画によって読者に何を伝えたいのかを考えることが重要です。

例えば、活動を身近に感じてもらいたいなら「活動報告+スタッフインタビュー」、専門性を伝えたいなら「特集+お役立ち情報+専門家コラム」のように組み合わせる方法があります。発行目的と読者を基準に、必要な企画を選んでいきましょう。

広報誌の構成・ページ割りの作り方

広報誌の企画が決まったら、次にどの企画を何ページに掲載し、どのような順番で読んでもらうのかを設計します。これが広報誌の構成・ページ割りです。掲載したい情報をそのまま順番に並べるのではなく、重要度や情報量、読者の読みやすさを考えてページを割り振ることがポイントです。まず必要な企画を洗い出し、優先順位をつけながら冊子全体の流れを組み立てていきましょう。

掲載する企画をすべて洗い出す

まずは、今回の広報誌に掲載したい企画や情報をすべて洗い出します。表紙、目次、特集、インタビュー、活動報告、お知らせ、裏表紙など、必要なコンテンツを一覧にして整理しましょう。

この段階では細かなレイアウトまで決める必要はありません。まず何を掲載するのかを明確にし、それぞれの重要度や必要な情報量を整理します。企画を一覧化しておくことで、限られたページの中で何を優先し、何を削るべきかも判断しやすくなります。

重要な企画からページ数を割り振る

掲載する企画を整理したら、今号で最も伝えたい企画からページ数を割り振っていきます。すべての企画に同じページ数を使うのではなく、重要度や掲載する情報量に応じて配分を変えることがポイントです。

例えば、今号の中心となる特集には見開き2ページ、活動報告やお知らせには1ページというように考えます。先に重要な企画のページを確保してから、残りの情報を割り振ることで、伝えたい内容にメリハリのあるページ構成を作りやすくなります。

読む順番を考えてページを並べる

ページ割りでは、各企画のページ数だけでなく、読者が自然に読み進められる順番を考えることも大切です。例えば、表紙→目次→特集→インタビュー・活動紹介→お知らせというように、重要な企画を前半に配置する方法があります。

関連する企画を近くに配置すると、内容のつながりも理解してもらいやすくなります。すべてのページを同じ重要度で考えるのではなく、最初に何を見せ、その後にどの情報へつなげるのかという冊子全体の流れを意識しましょう。

見開き単位でも構成を考える

冊子形式の広報誌では、1ページずつではなく、左右2ページの見開きを一つのまとまりとして考えることもポイントです。例えば、特集を見開きで構成すれば、大きな写真を使ったり、写真とインタビューを左右に分けたりと、情報を整理して見せやすくなります。

ただし、見開きに情報を詰め込みすぎると読みにくくなるため、余白や写真、文章量のバランスも重要です。具体的な誌面の作り方については、以下の記事で詳しく解説しています。

広報誌のデザイン・レイアウトの基本|読みやすく伝わる誌面を作るポイント

広報誌のページ構成例

広報誌のページ構成は、発行目的や読者、掲載する情報量によって異なります。初めて構成を考える場合は、表紙→特集→活動紹介→お知らせという大きな流れを作り、重要な企画からページを割り振ることがポイントです。

ここでは、8ページと12ページの広報誌を例に、基本的なページ構成を紹介します。ただし、以下はあくまで一例です。掲載する企画の内容や情報量に合わせて調整しましょう。

8ページの広報誌の構成例

8ページの場合は、掲載できる情報量が限られるため、中心となる特集を決め、その他の情報をコンパクトにまとめることがポイントです。例えば、特集に見開き2ページを使用し、残りのページにインタビューや活動報告、お知らせなどを配置します。

ページ内容
P1表紙
P2目次・導入
P3〜4特集
P5インタビュー
P6活動報告
P7お知らせ・コラム
P8裏表紙

すべての情報を掲載しようとすると誌面が窮屈になりやすいため、今号で伝えたい内容に優先順位をつけることが大切です。

12ページの広報誌の構成例

12ページになると、特集のページ数を増やしたり、複数の活動や人物を紹介したりと、一つひとつの企画をより詳しく伝えられるようになります。ただし、ページが増えたからといって企画を増やしすぎず、中心となるテーマを軸に構成しましょう。

ページ内容
P1表紙
P2目次・導入
P3〜6特集
P7〜8インタビュー・人物紹介
P9活動報告
P10お役立ち情報・コラム
P11イベント案内・お知らせ
P12裏表紙

例えば、特集を4ページに広げ、概要だけでなく担当者インタビューや写真、データなどを組み合わせれば、一つのテーマをより深く伝えられます。

ページ数ではなく発行目的から構成を考える

8ページ・12ページのどちらの場合も、決まったページ構成に当てはめることが目的ではありません。例えば、活動報告を重視する広報誌と、読者へのお役立ち情報を重視する広報誌では、必要なページの配分も変わります。

まず発行目的と読者を整理し、今号で最も伝えたい企画に必要なページ数を確保しましょう。そのうえで、インタビューや活動報告、お知らせなどを配置していくと、情報の優先順位が伝わるページ構成を作りやすくなります。

企画・構成が決まったら原稿と写真を準備する

広報誌の企画とページ構成が決まったら、次は誌面に掲載する原稿と写真を準備します。企画だけを決めても、必要な素材が揃わなければデザイン制作には進めません。各ページに必要な原稿量や写真を整理し、誰がいつまでに用意するのかを決めることが大切です。ページ構成をもとに必要な素材を一覧化しておくことで、原稿や写真の不足による制作途中の手戻りも防ぎやすくなります。

各ページに必要な原稿量を決める

ページ構成が決まったら、各ページにどの程度の原稿が必要なのかを整理します。例えば、特集では見出し・導入文・本文、インタビューでは質問・回答・プロフィールなど、企画によって必要な文章は異なります。

先に文字量の目安を決めておけば、原稿を書いた後に「誌面に入りきらない」といった問題も防ぎやすくなります。デザインしてから文章を削るのではなく、ページの役割やスペースを考えながら、必要な情報とおおよその文字量を決めておきましょう。

必要な写真を洗い出す

原稿とあわせて、各ページで使用する写真も企画・構成の段階で洗い出しておきます。表紙や特集で大きく使用するメイン写真、スタッフなどの人物写真、イベント・活動写真、商品・施設写真など、企画によって必要な写真は異なります。

手元にある写真を確認し、不足している場合は新たに撮影する必要があります。特に表紙や特集など大きく使用する写真は誌面の印象にも影響するため、どのような写真が必要なのかを早めに決めておきましょう。

原稿・写真の担当者と締切を決める

必要な原稿と写真を洗い出したら、誰が用意し、いつまでに提出するのかまで決めておくことが重要です。例えば、特集記事は広報担当者、インタビュー写真は各部署、お知らせは担当部署など、素材ごとに担当者を設定します。

締切も印刷日から逆算し、原稿作成や写真撮影だけでなく、内容確認や修正に必要な期間まで考えて設定しましょう。担当者と期限まで決めることで、企画を具体的な制作工程へ進められます。

広報誌の原稿構成や文章のまとめ方については、以下の記事で詳しく解説しています。

広報誌の記事・原稿の書き方|見出し・リード文・インタビューまで解説

広報誌の企画・構成でよくある失敗

広報誌の企画では、掲載したい情報を集めることに意識が向き、読者の視点やページ数が後回しになることがあります。その結果、情報量が多すぎたり、毎号似た内容になったりして、読みにくい広報誌になってしまいます。企画・構成で大切なのは、伝えたい情報に優先順位をつけ、読者にとって必要な内容へ整理することです。ここでは、広報誌を企画するときに注意したい代表的な失敗を紹介します。

発信したい情報だけで構成してしまう

広報誌では、活動実績や新しい取り組みなど、組織側が伝えたい情報を優先しすぎてしまうことがあります。しかし、活動報告やお知らせだけが続くと、読者にとって自分に関係のある情報が少ない広報誌になりかねません。

企画を考える際は「何を伝えたいか」だけでなく、「読者は何を知りたいのか」という視点を持つことが重要です。お役立ち情報やインタビューなども組み合わせ、組織が伝えたいことと読者が読みたいことのバランスを考えましょう。

毎号同じ企画になってしまう

定期的に発行している広報誌では、代表者の挨拶→活動報告→イベント案内→お知らせなど、毎号同じ企画やページ構成を繰り返してしまうことがあります。定番企画は必要ですが、それだけでは誌面がマンネリ化しやすくなります。

過去号を振り返り、これまで扱っていないテーマや人物、新しい取り組みなどを探してみましょう。定番企画を残しながら、特集やインタビューなど毎号一つでも新しい切り口を取り入れると、誌面に変化をつけやすくなります。

情報を詰め込みすぎる

「あれも伝えたい」「この情報も必要」と企画を追加していくと、限られたページの中に大量の文章や写真を詰め込むことになります。情報量が多くても、文字が小さくなったり余白がなくなったりすると、かえって重要な内容が伝わりにくくなります

まず今号で最も伝えたい情報を決め、掲載内容に優先順位をつけましょう。入りきらない情報は次号やWebサイトへ回すなど、すべてを一冊で伝えようとしないことも読みやすい広報誌を作るポイントです。

ページ数を考えずに企画を決める

企画を先に増やしてからページ数を決めると、予定していた誌面に情報が収まらず、原稿を大幅に削ったりページを追加したりすることがあります。企画とページ数、印刷仕様は完全に切り離して考えるものではありません

例えば、ページ数が増えれば印刷費や製本方法などに影響する場合もあります。発行部数や予算も踏まえ、企画の早い段階からページ数を想定しておくことが大切です。仕様の判断が難しい場合は、企画・構成の段階で印刷会社へ相談すると進めやすくなります。

広報誌の企画・構成を外注するときに伝えること

広報誌の企画・構成を印刷会社や制作会社へ依頼する場合、最初からすべての内容を決めておく必要はありません。ただし、発行目的や読者、発行時期など、現在決まっている情報を整理して伝えることで、企画やページ構成の提案を受けやすくなります。「何を載せればよいか分からない」という段階でも、まず以下の項目について分かる範囲で整理しておきましょう。

広報誌の発行目的

まず伝えたいのが、何のために広報誌を発行するのかという目的です。例えば、企業・団体の活動を知ってもらう、会員へ情報を届ける、地域との関係を深めるなど、目的によって適した企画や誌面構成は変わります。

具体的な企画が決まっていなくても、「読者に組織をもっと身近に感じてほしい」など、広報誌を通して実現したいことを伝えれば問題ありません。制作会社と目的を共有することで、掲載内容や構成も提案してもらいやすくなります。

想定する読者

次に、誰に読んでもらう広報誌なのかを伝えます。顧客、会員、地域住民、患者、保護者、社員など、中心となる読者によって必要な情報や適した文章・デザインは異なります。

複数の読者がいる場合は、すべてを同じように対象とするのではなく、中心となる読者を伝えておくと企画の方向性を決めやすくなります。年齢層や広報誌を読む場面など、分かっている読者情報があればあわせて共有しましょう。

発行時期・発行頻度

広報誌をいつ発行したいのか、毎月・季刊・半年ごと・年1回など、どのくらいの頻度で発行する予定なのかも共有しておきましょう。発行時期によって、企画や取材、原稿作成、デザイン、校正、印刷に使える期間が変わります。

例えば、周年行事や総会に合わせて配布したい場合は、その日から逆算して制作スケジュールを組む必要があります。発行日が決まっている場合は、できるだけ早い段階で伝えておくことが大切です。

掲載したい内容

掲載したい内容がある場合は、決まっている範囲で企画や情報を洗い出して共有します。特集、活動報告、インタビュー、スタッフ紹介、お知らせなど、具体的な原稿まで完成していなくても問題ありません。

例えば、「新しい取り組みを大きく紹介したい」「スタッフの顔が見える広報誌にしたい」といった希望でも、企画を考える材料になります。掲載内容が決まっていない場合は、そのことも伝え、発行目的や読者から一緒に整理してもらいましょう。

ページ数・部数・予算

ページ数や発行部数、予算が決まっている場合は、企画・構成を考える段階から共有しておくことが重要です。掲載できる情報量だけでなく、用紙や製本、印刷方法などの仕様にも関係するためです。

まだページ数が決まっていない場合でも、「掲載したい内容」「配布する人数」「おおよその予算」などを伝えれば、適した仕様を検討しやすくなります。企画と印刷を別々に考えず、全体のバランスを見ながら決めていきましょう。

現在の原稿・写真の準備状況

依頼する際は、原稿や写真がどこまで準備できているのかも伝えておきましょう。原稿が完成している、過去の写真を使用できる、これから取材や撮影が必要など、準備状況によって制作の進め方やスケジュールが変わります。

過去に発行した広報誌がある場合は、それも共有すると現在の構成やデザインを見直す参考になります。原稿や写真が揃っていなくても、必要な素材を整理するところから相談できる場合があります。

広報誌の企画がすべて決まってから、印刷会社へ相談する必要はありません。「伝えたい内容はあるけれど、どのようにページへまとめればよいか分からない」「毎号同じ構成になっているので見直したい」といった段階から相談する方法もあります。

広報誌を外注する際は、印刷だけでなく、目的や掲載内容の整理から企画・構成、デザイン、印刷まで一緒に考えてくれる会社を選ぶこともポイントです。制作の早い段階から相談することで、ページ数や印刷仕様まで含めて無理のない広報誌づくりを進めやすくなります。

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広報誌の企画・構成に関するよくある質問

広報誌の企画は何から考えればよいですか?

広報誌の企画は、まず発行目的と中心となる読者を決めることから始めます。いきなり「何を載せるか」を考えると、活動報告やお知らせを並べるだけになりやすいためです。

例えば、地域との関係を深めたいのであれば地域活動の特集、組織への理解を深めたいのであればスタッフインタビューなどが考えられます。誰に何を伝え、読んだ後にどう感じてほしいのかを整理してから、具体的なテーマや企画を考えましょう。

広報誌のネタがないときはどうすればよいですか?

ネタが思いつかない場合は、広報担当者だけで考えず、社内・組織内や読者から情報を集めることがおすすめです。各部署の取り組み、新しいプロジェクト、イベント、スタッフ、活動実績なども広報誌のネタになります。

また、問い合わせやアンケート、会員・利用者からよく寄せられる質問も企画のヒントになります。毎号ゼロから考えるのではなく、日頃から企画候補を集め、年間の企画カレンダーとして整理しておくとよいでしょう。

広報誌にはどのような内容を載せればよいですか?

広報誌には、特集、活動報告、インタビュー、人物紹介、お役立ち情報、イベント案内、お知らせ、コラム、読者の声など、さまざまな内容を掲載できます。ただし、すべての企画を掲載する必要はありません

例えば、活動への理解を深めてもらいたい場合は「特集+活動報告+インタビュー」、専門性を伝えたい場合は「特集+お役立ち情報+コラム」など、発行目的と読者に合わせて必要な企画を組み合わせることが大切です。

広報誌の特集はどのように決めればよいですか?

広報誌の特集は、その号で読者に最も伝えたいことを中心に決めます。複数のテーマを同じように扱うのではなく、発行目的や読者の関心、発行時期などから優先順位をつけましょう。

また、組織側が伝えたいことだけではなく、読者にとってどのようなメリットがある情報なのかを考えることも重要です。中心テーマが決まったら、写真やインタビュー、データなどを組み合わせ、内容を具体的な特集企画へ落とし込みます。

広報誌のページ構成はどのように決めますか?

まず掲載する企画を洗い出し、重要な企画から必要なページ数を割り振っていく方法がおすすめです。例えば、表紙→目次→特集→インタビュー・活動報告→お知らせ→裏表紙というように、読者が自然に読み進められる順番を考えます。

すべての企画に同じページ数を使うのではなく、今号で最も伝えたい特集には見開き2ページ以上を使うなど、重要度に応じて配分しましょう。ページ数や情報量とのバランスを考えることも大切です。

広報誌の企画・構成から印刷会社へ相談できますか?

印刷会社によって対応範囲は異なりますが、企画やページ構成がすべて決まっていない段階から相談できる会社もあります。「伝えたい内容はあるが、どのようにまとめればよいか分からない」といった段階で相談することも可能です。

発行目的や読者、掲載したい内容、発行時期、部数、予算など、現在決まっていることを伝えましょう。企画・構成からデザイン、印刷まで対応できる会社であれば、ページ数や印刷仕様も含めて相談しながら進めやすくなります。

まとめ|広報誌は目的と読者から企画・構成を考えよう

広報誌の企画・構成では、思いついたネタを並べるのではなく、目的・読者 → テーマ → 企画 → ページ構成 → 原稿・写真の順番で整理することが大切です。誰に何を伝え、読んだ後にどう感じてほしいのかが明確になれば、必要な特集やインタビュー、活動報告なども選びやすくなります。

広報誌制作の全体的な流れを知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

広報誌の作り方完全ガイド|企画からデザイン・印刷までの流れを解説

「毎号企画を考えるのが大変」「何を掲載すればよいか分からない」「現在の広報誌の構成を見直したい」という場合は、企画がすべて決まっていなくても問題ありません。企画・構成の整理からデザイン、印刷まで一緒に考えられる印刷会社へ、早い段階から相談することも広報誌づくりをスムーズに進める方法の一つです。

執筆者

株式会社ニチゲン 編集部

デザインから印刷・製本までを社内で一貫して手がける、印刷会社です。高品質なメタリック印刷や特殊加工、図面・取扱説明書の製本など、用途に応じた最適な仕上がりを追求。個人から法人まで、柔軟で丁寧な対応を心がけ、仕様が固まっていない段階でも安心してご相談いただけます。印刷物の先にある「伝えたい想い」を、確かな技術と共に形にします。

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