パンフレットやチラシを制作する際、デザインと同じくらい重要なのが「紙選び」です。手に取った瞬間の指先の感覚や、カバンに入れたときの重さは、受け取り手が抱くブランドイメージに直結します。
しかし、印刷通販などの注文画面で目にする「コート紙 90kg」「マットコート 110kg」といった表記に、「どれが一番おすすめなの?」「そもそもkg(重さ)で厚さが変わるのはなぜ?」と戸惑う方も多いはずです。せっかく良いデザインができても、紙が薄すぎて安っぽく見えたり、逆に厚すぎて折りにくかったりしては台無しですよね。
この記事では、印刷の専門知識を初心者の方にも分かりやすく噛み砕き、用途・シーン別に最適な「紙質」と「重さ(厚さ)」の組み合わせを徹底解説します。この記事を読み終える頃には、予算と目的に合わせて「失敗しない用紙選び」が自分一人で自信を持ってできるようになります。
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1. 印刷用紙の「重さ(kg)」=「厚さ」の基本ルール
印刷通販などの注文画面で必ず目にする「kg」という表記。結論からいうと、印刷業界では紙の厚さを「重さ(キログラム)」で表現するのが一般的なルールです。一見すると初心者には分かりづらい単位ですが、この仕組みを正しく理解することが、パンフレット制作における第一歩となります。
1-1. なぜ厚さを「kg」で表記するのか?(連量・斤量の仕組み)
- 連量(れんりょう)とは: 四六判などの原紙1,000枚(1連)を重ねた際の合計重量のこと。
- 基本の考え: 同じ紙質なら、数字が大きくなるほど「重く・厚く」なります。
なぜ長さの単位(mm)ではなく重さで呼ぶのかというと、大量の紙を扱う印刷現場では、重さを量る方が厚さを測るよりも正確で効率的だからです。結論として、「連量(れんりょう)」または「斤量(きんりょう)」と呼ばれるこの数値は、原紙1,000枚を重ねたときの合計重量を指しています。
同じ紙の種類であれば、**数字が大きくなるほど「重く、そして厚い紙」**であることを意味します。例えば「90kg」よりも「110kg」の紙の方が、1,000枚集まったときに重いため、一枚あたりの厚みも増すというわけです。補足として、基準となる原紙のサイズ(四六判など)によって同じ厚さでもkg数が変わることがありますが、一般的なパンフレット注文時には「数字が大きい=厚い」と覚えておけば間違いありません。
1-2. パンフレット・チラシでよく見る「厚さ」の目安
- 薄手(58kg〜73kg): 折込チラシなどの大量配布用。
- 標準(90kg): コピー用紙より少し厚く、チラシの定番。
- 厚手(110kg〜135kg): 会社案内や高級パンフレット、折り加工が必要な冊子。
用途に合わせて適切な厚さを選ぶために、まずは一般的な基準を知っておきましょう。結論として、チラシやパンフレットでは、主に「薄手」「標準」「厚手」の3つのラインから選択することになります。
まず、58kg〜73kgの薄手は、新聞折込チラシや大量配布用のチラシによく使われます。
次に、90kgの標準は、一般的なコピー用紙より少し厚みがあり、ポスティングチラシや簡易的なリーフレットの定番です。
そして、110kg〜135kgの厚手は、会社案内や高級なパンフレット、また「折り加工」を施す冊子に推奨されます。
「薄手は雑誌のページ、標準は週刊誌の表紙、厚手はしっかりした商品カタログ」のような手触りの違いをイメージすると分かりやすいでしょう。
2. パンフレット・チラシの「3大定番用紙」と特徴
パンフレットやチラシを制作する際、紙の「厚さ」と同じくらい大切なのが「質感」です。結論からいうと、コート紙、マットコート紙、上質紙という3つの定番用紙の特徴を理解するだけで、印刷の仕上がりはプロのクオリティに近づきます。 どんなに優れたデザインでも、紙の質感が内容と合っていなければ、読み手に伝えたいメッセージが正しく届かないからです。
2-1. 写真が鮮やかに映える「コート紙」
- 特徴: 表面に光沢加工が施されており、インクの発色が抜群に良い。
- おすすめ: 飲食店メニュー、不動産チラシ、製品カタログなど「ビジュアル重視」の媒体。
食べ物や商品の写真を主役にしたチラシを作りたいなら、表面に光沢がある紙が最適です。結論として、コート紙は表面がツルツルとコーティングされており、インクの発色が抜群に良いため、ビジュアル重視の媒体に最もおすすめです。
インクが紙に染み込みすぎず表面で留まるため、色が鮮やかでコントラストがはっきりと表現されます。例えるなら、「デパ地下の惣菜メニュー」や「不動産販売のチラシ」のような、キラキラとした華やかさを出したい時に最適です。
ただし、表面が反射するため長文を読ませるのには不向きで、ボールペンなどでの書き込みもしづらいという特性があります。
2-2. 上品で落ち着いた印象の「マットコート紙」
- 特徴: 光沢を抑えたしっとりした質感。読みやすく、高級感が出る。
- おすすめ: 会社案内、学校案内、商談用パンフレット。プロが最も推奨する万能用紙。
ビジネスシーンで信頼感を勝ち取りたい、あるいは高級感を出したい場合には、光沢を抑えた紙を選びましょう。結論として、マットコート紙は光の反射を抑えたしっとりした質感が特徴で、会社案内や展示会用のパンフレットに最も選ばれている万能用紙です。
表面は滑らかですが、コート紙のようなテカリがないため、写真の美しさを保ちつつ文字も非常に読みやすくなります。
例えば「高級ホテルのパンフレット」や「私立学校の学校案内」のような、知的で落ち着いた印象を与えたい時に役立ちます。プロのデザイナーがパンフレット制作で迷った際、まず第一候補に挙げるのがこのマットコート紙です。
2-3. ナチュラルで書き込みやすい「上質紙」
- 特徴: コピー用紙に近いさらさらした質感。光の反射がなく、文字が読みやすい。
- おすすめ: セミナー資料、マニュアル、申込書付きチラシ、アンケート用紙。
温かみのある手触りや、実用性を重視するなら、コーティングのない自然な紙がベストです。結論として、上質紙はコピー用紙に近いさらさらとした質感が特徴で、アンケート用紙やセミナー資料など「文字を読ませる・書かせる」用途に最適です。
表面に光沢が一切ないため、光が反射せず目が疲れにくいというメリットがあります。また、パルプの質感がそのまま伝わるため、ナチュラルで誠実な印象を与えます。
例えるなら、「講演会のレジュメ」や「申込書付きのチラシ」です。鉛筆やボールペンでの書き込みが非常にスムーズなので、読者に何かを記入してもらう必要がある場合には、この上質紙以外に選択肢はありません。
3. 【用途別】失敗しない「用紙 × 厚さ(重さ)」のおすすめセット
用紙の種類と厚さの基本がわかったところで、次は「どの組み合わせが一番効果的なのか」を具体的に見ていきましょう。結論からいうと、パンフレットの用途に合わせてプロが選ぶ「黄金の組み合わせ」を採用することが、予算内で最も見栄えの良い仕上がりにする近道です。ここでは、特によく使われる4つのシーン別の最適解をご紹介します。
3-1. 営業・商談用パンフレット(二つ折り・三つ折り)
- おすすめ: マットコート紙 110kg〜135kg
- 理由: 折り加工をしても割れにくく、手に持ったときにしっかりとした「信頼感」が伝わります。
会社の顔として直接手渡すパンフレットなら、手に持った時の「しっかり感」が信頼に直結します。結論として、マットコート紙の110kg、あるいは少し厚手の135kgを組み合わせるのが、プロが最も推奨する王道の仕様です。
110kg以上の厚みがあれば、二つ折りや三つ折りの加工をしてもペラペラせず、自立するほどの強度が出ます。マットコート紙のしっとりした質感が加わることで、高級感と誠実さを同時に演出できます。例えるなら、「百貨店のブランドカタログ」のような手触りです。商談の最後にデスクに置かれた際、その厚みが会社の安定感を無言で伝えてくれます。
3-2. 店舗設置・ポスティングチラシ(A4ペラ)
- おすすめ: コート紙 90kg
- 理由: 最もコストパフォーマンスが高く、カラー写真が綺麗に見える標準的な仕様です。
レジ横に置いたり、ポストに投函したりするチラシなら、コストと見栄えのバランスが命です。結論として、コート紙の90kgを選ぶのが、最もコストパフォーマンスが高く失敗のない標準的な選択です。
90kgはコピー用紙より一回り厚く、ポスティングされてもシワになりにくい絶妙な厚みです。コート紙特有の光沢が写真のシズル感(美味しそうな質感など)を引き立てるため、一瞬で目を引く必要があります。例えるなら、「ピザの宅配チラシ」や「スーパーの新店オープン告知」です。大量に印刷しても安価に抑えられるため、広範囲に配布する戦略に最適です。
3-3. 観光ガイド・イベントマップ(情報量多め)
- おすすめ: コート紙 73kg〜90kg
- 理由: 何度も折り畳んで持ち歩く場合、厚すぎるとかさばるため、少し軽めの紙が好まれます。
持ち歩いて何度も開いたり閉じたりするマップ形式のパンフレットなら、実用的な「軽さ」が求められます。結論として、コート紙の73kgから90kg程度の、少し薄めでしなやかな紙がおすすめです。
何度も折りたたむ場合、厚すぎる紙だと折り目が膨らんでカバンの中でかさばってしまいます。あえて少し薄い紙を選ぶことで、コンパクトに収納でき、ページをめくる動作もスムーズになります。例えるなら、「駅に置いてある観光案内図」や「音楽フェスのタイムテーブル」です。手に取る人の動きを想像し、あえて「軽快さ」を優先するのが紙選びの高等テクニックです。
3-4. 高級ブランド・不動産パンフレット
- おすすめ: 特殊紙(サテン金藤など) 135kg + 表面加工(PP加工)
- 理由: 圧倒的な重厚感。PP加工を追加することで、耐久性と指紋防止、さらなる高級感をプラスします。
一生に一度の買い物や、ラグジュアリーな世界観を伝えたい一冊には、紙の限界を超えた重厚感が必要です。結論として、サテン金藤(さたんかねふじ)などの高級特殊紙の135kgに、さらに「表面加工(PP加工)」をプラスする仕様が最強です。
特殊紙ならではの独特な光沢と、PP加工によるしっとりとした手触り、そして指紋がつきにくい実用性は、受け取り手に「これは特別なものだ」と一瞬で確信させます。例えるなら、「高級外車のカタログ」や「タワーマンションの販売パンフレット」です。コストは上がりますが、その圧倒的な存在感はブランドの価値を何倍にも高めてくれます。
4. 紙選びで注意すべき「重量計算」と「折り加工」の落とし穴
用紙の質感や厚みが決まっても、実務的な「運用面」を見落とすと、思わぬ予算オーバーや仕上がりのトラブルを招くことがあります。特に大量配布や郵送を伴うプロジェクトでは、紙の「重さ」が物流コストを大きく左右するため、発注前にしっかりシミュレーションしておくことが不可欠です。
4-1. 1,000部だと何kg?「部数重量計算」の重要性
- 意外と見落としがちなのが、完成した印刷物の「総重量」。
- イベント会場へ搬入する際や、郵送DMとして送る際のコストに直結するため、事前に計算が必要です。
意外と盲点になりやすいのが、刷り上がった印刷物の総重量です。カタログやパンフレットをイベント会場へ搬入したり、各支店に配送したりする場合、紙の厚さを一段階上げるだけで、全体の重さが数十キロ単位で変わってしまうことがあります。
例えば、A4サイズのチラシ1,000枚(90kg厚)は約6kgですが、これを135kgの厚手に変更すると約9kgまで跳ね上がります。これが数万部単位のポスティングやDM発送となると、送料や配布手数料の区分が変わり、数万円のコスト増につながるケースも珍しくありません。発送コストにシビアな案件では、封筒の重さも含めた「1通あたりのグラム数」を逆算して、あえてワンランク軽い紙を選ぶといった戦略的な判断も必要になります。
4-2. 折り加工をするなら「110kg以上」が安心
- 70kgなどの薄い紙で折り加工をすると、強度が足りず安っぽく見えたり、破れやすくなったりします。
- 逆に135kg以上の厚紙で折る場合は、折り目が割れないよう「背割れ防止」の配慮が必要です。
パンフレットに「二つ折り」や「三つ折り」の加工を施す場合は、仕上がりの美しさと耐久性のバランスに注意を払いましょう。チラシで一般的な70kgなどの薄い紙で折ってしまうと、どうしても強度が足りず、手に取った際にクタクタとして安っぽい印象を与えてしまいます。
見栄えを重視するパンフレットであれば、110kg以上の厚みを持たせるのが業界のスタンダードです。ただし、135kgを超えるようなかなり厚手の紙で折る際には、「背割れ(せわれ)」という現象に気をつけてください。これは折り目のインクがパキパキと割れて白く目立ってしまう現象で、これを防ぐには「スジ入れ」という事前の溝付け加工がセットで必要になります。このように、「折り」が入るデザインでは、単なる好みだけでなく加工適性を踏まえた厚み選びが成功の秘訣といえます。
5. 失敗しないための最終ステップ:サンプルと色校正
どれほど知識を詰め込んでも、最終的には「実物に触れること」に勝る確認手段はありません。頭の中で描いていたイメージと、刷り上がった現実のギャップを埋めるためには、注文確定前のひと手間が成功を左右します。ここでは、初心者こそ実践すべき、確実なクオリティ管理のステップを整理しておきましょう。
- 無料サンプルを取り寄せる: ネット印刷各社が提供する「用紙サンプル帳」を必ず活用しましょう。
- 色校正を活用する: 特にブランドカラーが重要な場合は、本印刷の前に簡易校正で実際の色味をチェック。
- プロに直接相談する: ロット数や予算に合わせて、最適な「紙の代替案」を提案してもらうのが賢い方法です。
5-1. 無料サンプルを取り寄せる:指先の感覚を信じる
画面上で「マットコート 110kg」という文字を見つめていても、その正確な手触りや厚みを理解するのは不可能です。まずはネット印刷会社が提供している「用紙サンプル帳」を必ず手元に用意することから始めましょう。
ほとんどの業者が無料で送付してくれるこのサンプル帳には、定番の紙が厚さごとに綴じられています。実際に指で弾いてコシを確かめたり、光にかざして透け具合を見たりすることで、「これなら商談で自信を持って渡せる」という確信が持てるようになります。また、折りのサンプルが含まれているものを選べば、110kgと135kgでどれほどボリューム感が変わるのかを一目で比較できるため、迷いが一気に解消されるはずです。
5-2. 色校正を活用する:ブランドカラーの「正解」を出す
企業のロゴマークや商品の写真など、色味に妥協できない案件であれば、本印刷の前に「色校正」を行うのがプロの鉄則です。モニターの光で見る色と、実際の紙にインクが乗った時の色は、紙の地色や質感の影響を受けて微妙に変化するからです。
例えば、同じデータでもコート紙なら鮮やかに、上質紙なら少し沈んだ落ち着いた発色になります。簡易校正(デジタルコンテ)や、本番と同じ紙で刷る本紙校正を利用すれば、「思っていたより色が暗い」といったトラブルを未然に防ぐことができます。特に数万部といった大ロットの発注では、この校正費用を惜しまないことが、最終的なコストパフォーマンスと安心感につながります。
5-3. プロに直接相談する:代替案がコストを救う
もし予算と希望の仕様が折り合わない場合は、印刷会社の担当者に直接相談してみるのも一つの手です。専門家は膨大な紙の知識を持っているため、「この紙なら、希望の質感に近いままコストを2割抑えられますよ」といった代替案を提案してくれることがあります。
ロット数(印刷部数)によっては、標準的な紙よりも、その会社が大量に在庫している特定の用紙を使った方が安くなるケースも珍しくありません。自分一人で仕様を決め打ちせず、「目的は高級感を出したいこと。予算はこれくらい」と正直に伝えることで、経験に基づいた最適な「紙の処方箋」を提示してもらえるでしょう。
6. まとめ:最適な紙選びで「伝わる」パンフレットへ
パンフレットやチラシの成果を左右するのは、画面上のデザインだけではありません。最後に手に取ったときの「紙の質感と重さ」という物理的な体験が、読み手の心に落ちる情報の深さを決定づけます。
これまでに解説したポイントを振り返ると、写真を主役にするなら発色の良いコート紙、信頼感や知性を重んじるビジネス文書なら落ち着いたマットコート紙の110kg、そして実用的な書き込みを想定するなら上質紙、という使い分けが基本です。さらに、配布方法や郵送コストを考慮した「重さ」の計算、折り加工の美しさを保つための「厚み」の選定まで目を配れば、プロ顔負けの仕上がりが手に入ります。
「紙選び」は、あなたのメッセージに命を吹き込む最後の仕上げです。予算や目的に合わせた最適な一枚を選び抜き、ターゲットの指先にまで想いが伝わる、最高の一冊を作り上げましょう。
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